くらす 日本の美意識 08/03/2019 / イギリスに住んで、もう19年。 でも、私が常日頃から思い、本当にいつも大切にしたいと思っているのは、日本の美意識の美しさ。 私なりに考えるに。。。 大きくとらえて、日本の美意識は、「人の心と体を心地よくするもの」がベースにあって、西洋のものに比べて、どこかやわらかい美意識。それは私が日本人だから?生活にしっかりと根付いて、どこかほっとするような。 心地よいことがキーワード。そして、「気」の考え方。雰囲「気」とか、「気」もちいいーとか、いいエネルギー、心地よい、居心地のいいエネルギーを感じることが大切。 私はいつも、生活を大切にしている人は美しいと思ってきた。それは、普段どんな暮らしをしているか、どのようなことを普段から考えているのか、どのような環境に自分を置いているのか、というのがその人の体からにじみ出てくるから。いくら顔の造作がきれいで、おしゃれにしていても、すさんだ生活をしていたり、意地悪なことをたくさん考えたりしている人は、本当に面白いくらいにその人からにじみ出ているのがわかる。 全てはエネルギーなのだ、ということをつくづく考えるようになったこの頃。エネルギーを美しく保っている人が、本当に美しい人なのだと思う。やさしい気持ちや愛情を持って人やものに接するとき、そういう穏やかでやさしい気持ちでいるとき、その人のエネルギーはきれいで軽くて美しいのじゃないかしら、と思う。逆に、誰か周りに不機嫌そうにしていたり、イヤな気持ちでいる人がいると、周りの空気はじっとりと重くなって、息苦しい。そしてその人は間違いなく、ぶすになる。(私も気をつけよう!) イギリスにはじめて住み始めたころ、ナイトクラブできれいにおしゃれした女の子たちが化粧室をあまりに汚く使っていることに、ものすごい衝撃をうけた。外から見たら、かわいくてきれいなだけに、ものすごく醜く見えた。次の人が気持ちよく使えるように、と気を遣うのは当たり前のマナーだと思っていたけれど、これは当たり前のことではなかった。 さらに、セクシーで美人で有名なTVシェフが、番組内で使っていた木べらを無造作にシンクに放り投げるところを見て、またしも幻滅してしまった。 年齢を重ねるにつれて、こういう細かいところが我慢ならなくなってきた。ものを大切に使えない、というのは美しくない。何でも使い捨て、という考え方も嫌い。プラスチックも嫌い。便利万能主義も嫌い。自分が本当に気に入ったものだけを、周りにおいて、大切に愛情こめてお手入れして使う生活がシンプルでいい。そういう生活は、風通しがよくって、エネルギーも気持ちよく循環する。 自分の心地よさを大切にする暮らし方は、自分の基盤をつくるとても大切なことだと思う。誰が何を言おうとも、自分の心地よさを大切にするという美意識は、幸せに生きるための基盤だと思う。 そうやって、毎日の日常生活を自分の天国にしていこう。